「へしこなれずし」の研究発表(Vol.2)

へしこなれずしー若狭の海から発行パワーを発信

福井県立若狭高校海洋科学科の「へしこなれずし」の研究発表、第2弾をお届けします。

う~ん、なるほどね~。これはタメになる!


「若狭の海から発酵パワーを発信~へしこなれずし」

松下/谷川/溝口/堂前/中山

私たちは、若狭地方に昔から伝わる伝統食品である「へしこなれずしを、地域が持つ大きな文化的な財産 即ち「知的財産」と捉え、そこに秘められたパワーと健康や生活への影響を明らかにしたいと考えて「課題研究」のテーマとして、実験や調査を行ってきました。


「へしこなれずし」は、若狭地方の伝統的な保存食品である「サバのへしこ」を用いて、そこに麹を混ぜたご飯と共に漬けた若狭地方独特の発酵食品です。へしこを使う利点は、なれずしの持つ独特なにおいをマイルドにし、味も他にはない特有のおいしさがあります。


しかし、あまり普及しておらず、地元の人でも知らない人が多いため、このままでは消滅の恐れがあることがわかりました。そこで私たちは伝統食品で健康にもよい「へしこなれずし」の知名度のアップと販売量の拡大を目的として、製造方法およびPR方法の2点について研究を行いました。


「へしこなれずし」は、かつて若狭地方の多くの地域で作られていましたが、現在は田烏という地域1ヶ所でしか作られていません。 しかも、製造法は製造者の勘に頼るもので、確立したレシピはありません。また、賞味期限は1週間程度と短く、常温では発酵が進んでしまうために、流通の拡大を望むことは困難でした。


また、課題としては、製造過程で用いられる麹の有効活用、PR方法などが、現在製造をしている皆さんにお聞きすることで明らかになりました。そこで、私たちは「製造法」と「PRの拡大」の2つを解決すべき課題に設定して、取り組むことにしました。

研究方法

はじめに、私たちは「なれずし」の製造方法を学ぶために、田烏の「我が袖倶楽部」の皆さんのご協力を仰ぎ、実際に「なれさば」を作りました。ここで習得した技術を基に試験を行いました。


まず、実験1として、樽での漬け込み期間を変えて「発酵時間による味の変化」を調べました。そして、官能検査とペーハーを測定し、定を連動させ、行い、味の違いを数値化することで賞味期限を明らかにしました。


次に、実験2として、私たちは2種類の「なれずし」を作りました。地域の方々といっしょに作ったものを試験1とし、と本校の先生が3年間漬けた「へしこ」を用いて作ったものを試験2としました。


試験1では、はじめ1段式で5本ずつ合計4つの樽で発酵の経過を記録していましたが、漬け始めて13日目ですべての樽にカビがはえたので15日目に①②のなれずし合計10本取り上げ、真空パックにして保存しました。そして③④のご飯を変えそのまま一段式にし発酵させました。
そして漬け始めて23日目でまた樽にカビが発生していたので一段式問題があるのではないかと考え、ご飯を変え③④のさばを二段式にし樽を1つにして発酵させました。
その後34日目と41日目に5本ずつ取り上げ真空パックにし保存しました。


次に、試験2ではへしこ20本を使い、1樽で2段式にし発酵し始めました。
開始から2日ですえが出始め、開始10日目、18日目、26日目、34日目と5本ずつ取り上げ真空パックにし保存しました。製造した「へしこなれずし」を多くの人に知ってもらう為に、私たちは効果的なPRの方法についても研究しました。地元の田烏、福井市のアオッサ、若狭町 三方の彼岸祭りで、試食活動とアンケート調査をしました。

結果

研究班では、はじめに述べたように私たちは発酵期間と発酵は比例していると考えました。
発酵期間と味の変化について「なれずし」の身を、3切れずつ切り分けて、試験1 a,b,cと 試験2 a,b,c の切り身を、学校関係者に協力していただき、官能検査およびアンケートを実施しました。


試験1では、漬け込み期間が長くなるほど苦味が増しています。逆に、うまみや甘味は減少しているのがわかります。試験2も同じ結果が出ました。
これらの結果から、漬け込み期間が試験1では21日目、試験2では10日目に樽から出した
「なれずし」が一番おいしいという結果になりました。

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試食活動では高い年齢層に、人気がありましたが、若い年齢層にはあまり人気がありませんでし
た。試食およびアンケートの結果、高い年齢層では認知度は高いが、若い年齢層では認知度が
低いということがわかりました。

アンケートの回答により、多くの人が「なれずし」について
○臭そう
○見た目が悪い
○価格が高い
○酸味がある 
というイメージを持っていることがわかりました。

しかし、福井市での活動で、実物を見せたところ、県外の方もたくさんおられましたが、それを臭いという人は、いませんでした。


これらの結果から、認知度を高めて(鮒ずしや塩さばのなれずししか知らない人に知ってもらう)、臭い などの先入観をなくすことにより人気が出るのではないかと考えました。そして、私たちは多くの人が「なれずし」を喜んでくれるように、おいしく食べる方法について研究しました。

①一口サイズに切る
②バーナーでこんがり、焦げ目がつくまで焼く

このように食べると香ばしさが増し、若い人もおいしく食べられるという結果が出ました。

結論・考察

1.おいしい「なれずし」を作るためには、漬け込み期間を3週間までとすることが重要です。
今後は、今回よりも早く樽出しすると、味がどうなるかを調べたいと考えます。


2.「なれずし」は思ったより認知度がありました。しかし、悪いイメージをもっている人が多かったので、食べやすく、おいしい食べ方を考えてPRを行う必要があると感じました。


3.「なれずし」は若狭地域の大切な財産です。これからも、多くの人に味わってもらえるように研究を続けたいと考えます。

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